症例紹介

犬の子宮蓄膿症の症状と原因、治療について|獣医師が解説

避妊手術 症例紹介

犬の子宮蓄膿症の症状と原因、治療について|獣医師が解説

福岡市早良区、福岡市西区、福岡市城南区、福岡市中央区、糸島市のみなさん、こんにちは。
福岡市早良区の次郎丸動物病院の獣医師の矢野です。
今回は、わんちゃんの子宮蓄膿症の症状と原因、当院での治療についてお話しさせていただきます。
犬の子宮蓄膿症は、女の子のわんちゃんに発生し、子宮内の細菌感染によって引き起こされる炎症性の疾患です。この状態は犬の健康に深刻な影響を及ぼす可能性があるため、早期の発見と適切な治療が重要です。以下では、犬の子宮蓄膿症の症状、原因、そして治療方法について詳しく解説します。

【症状】 わんちゃんの子宮蓄膿症は、通常、以下のような症状が見られます:

①    食欲不振や体重減少、嘔吐や下痢
②    腹部の腫れや腹痛
③    多飲多尿、頻尿や排尿困難
④    不正常な子宮からの膿や血液の排出、外陰部に見られるおりもの
⑤    発熱や体温の上昇
⑥    活気の低下や一般的な不快感

これらの症状は特に未避妊のわんちゃんの発情出血が見られた3ヶ月後くらいまででよく確認されます。症状が認められた場合、すぐに獣医師の診察を受けることが重要です。放置するとショック状態(血圧が下がり立ち上がることもできない状態)になり危険です。

【原因】 子宮蓄膿症は、子宮内に細菌が侵入し、感染が拡大することで発生します。

以下は子宮蓄膿症の主な原因として考えられるものです:
①    犬の子宮蓄膿症は、通常、以下のような原因によって引き起こされます:
②    子宮内細菌感染: 子宮内に細菌が侵入し、感染が広がることで子宮蓄膿症が発生します。最も一般的な原因は、犬の発情周期における子宮内の細菌感染です。
③    発情周期の異常: 犬の発情周期が正常でない場合、子宮内の細菌が繁殖しやすくなります。
④    免疫機能の低下: 犬の免疫機能が低下すると、子宮蓄膿症のリスクが高まります。免疫力が低下する原因には、先天性の免疫不全や疾患による免疫抑制が含まれます。

【治療】 犬の子宮蓄膿症の治療には、通常、手術が必要です。

一般的な治療方法は以下の通りです:
①    子宮摘出術(避妊手術): 子宮蓄膿症の最も効果的な治療法は、子宮と卵巣の摘出手術です。この手術によって、再発のリスクを低減し、症状を根本的に改善することができます。
②    膿や毒素の除去: 手術前には、獣医師が蓄膿症の原因である膿や毒素を除去するために抗生物質や点滴療法を行う場合があります。
③    経過観察とケア: 手術後は、犬を適切にケアし、経過を観察することが重要です。定期的な検診や必要な場合の抗生物質の投与など、獣医師の指示に従って治療を進めましょう。

わんちゃんの子宮蓄膿症は重篤な状態であり、処置が遅れると命を落とすことがあります。このため早期の発見と適切な治療が不可欠です。お水をいっぱい飲んでおしっこをいっぱいする、外陰部からおりものが出ているなどの症状が未避妊のメスのわんちゃんで見られた場合は、ただちに獣医師の診断と助言を受けるようにしましょう。また、そもそも避妊手術を若い時に受けているわんちゃんは子宮蓄膿症にはなりません。よって、子宮蓄膿症の予防のためには適切な時期での避妊手術が重要です。定期的な健康診断も異常の早期発見につながりますので、ご心配の方はお気軽に動物病院にお問い合わせください。


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