症例紹介

猫の子宮蓄膿症の症状と原因、治療について|獣医師が解説

避妊手術 症例紹介

猫の子宮蓄膿症の症状と原因、治療について|獣医師が解説

福岡市早良区、福岡市西区、福岡市城南区、福岡市中央区、糸島市のみなさん、こんにちは。
福岡市早良区の次郎丸動物病院の獣医師の矢野です。
今回は、猫の子宮蓄膿症の症状と原因、当院での治療についてお話しさせていただきます。
猫の子宮蓄膿症は、女の子の猫ちゃんに発生し、子宮内の細菌感染によって引き起こされる炎症性疾患です。この状態は重篤な症状を引き起こし、早急な治療が必要です。以下では、猫の子宮蓄膿症の症状、原因、そして治療方法について詳しく解説します。

【症状】 猫の子宮蓄膿症は、通常、以下のような症状が見られます:

①    食欲不振や体重減少と発情兆候から2ヶ月ほどに生じた多飲多尿、嘔吐、外陰部からのおりものなど
②    強い腹痛や腹部の腫れ
③    発熱や体温の上昇
④    異常な子宮からの膿や血液の排出
⑤    一般的な体の不調や元気のなさ
これらの症状が見られた場合、すぐに獣医師の診察を受けることが重要です。

【原因】 子宮蓄膿症は、子宮内に細菌が侵入し、感染が拡大することで発生します。

以下は子宮蓄膿症の主な原因として考えられるものです:
①    発情周期の異常: 発情の周期が正常でない場合、子宮内の細菌が増殖しやすくなります。
②    子宮内細菌感染: 通常、子宮内は細菌が存在しない状態ですが、細菌が侵入することで感染が起こります。
③    免疫機能の低下: 猫の免疫機能が低下すると、細菌感染に対する防御能力が低下し、子宮蓄膿症のリスクが高まります。

【治療】 子宮蓄膿症の治療には、通常、手術的なアプローチが必要です。

以下は一般的な治療方法です:
①    卵巣子宮摘出術(避妊手術): 子宮蓄膿症の最も効果的な治療法は、子宮と卵巣の摘出手術です。この手術によって、再発のリスクを低減し、症状を根本的に改善することができます。
②    膿や毒素の排除: 手術前に、獣医師は蓄膿症の原因である膿や毒素を除去するために抗生物質や点滴療法を行う場合があります。
③    経過観察とケア: 手術後は、猫を適切にケアし、経過を観察することが重要です。定期的な検診や必要な場合の抗生物質の投与など、獣医師の指示に従って治療を進めてください。

猫の子宮蓄膿症は重篤な状態であり、処置が遅れると命を落とすことがあります。このため早期の発見と適切な治療が不可欠です。お水をいっぱい飲んでおしっこをいっぱいする、外陰部からおりものが出ているなどの症状が未避妊のメスの猫ちゃんで見られた場合は、迅速に獣医師の診断と助言を受けるようにしましょう。また、そもそも避妊手術を若い時に受けている猫ちゃんは子宮蓄膿症にはなりません。よって、子宮蓄膿症の予防のためには適切な時期での避妊手術が重要です。定期的な健康診断も異常の早期発見につながりますので、ご心配の方はお気軽に動物病院にお問い合わせください。


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