ゴールデンレトリバーやラブラドールレトリバーが罹患しやすい病気の症状と原因、治療について|獣医師が解説 NEW
予防ワクチン・健康診断 症例紹介ゴールデンレトリバーやラブラドールレトリバーが罹患しやすい病気の症状と原因、治療について|獣医師が解説
温厚で賢く、家庭犬として非常に人気の高いゴールデンレトリバーとラブラドールレトリバー。
しかし大型犬であること、そして遺伝的背景から、特定の病気にかかりやすい傾向があります。
今回は獣医師の立場から、特に発症が多い代表的な疾患について、症状・原因・治療を分かりやすく解説します。
1. 股関節形成不全
大型犬に非常に多い整形外科疾患です。
★症状
• 立ち上がりが遅い
• 後ろ足を同時に跳ねるように走る(バニーホップ)
• 散歩を嫌がる
• 運動後に痛がる
• 高齢になると慢性的な跛行
★原因
• 遺伝的素因
• 成長期の急激な体重増加
• 過度な運動
• 栄養バランスの偏り
★治療
• 体重管理
• 消炎鎮痛薬
• サプリメント
• 重度では外科手術
若齢期からの体重コントロールが最大の予防策です。
2. 前十字靭帯断裂
股関節に次いで多い整形疾患です。
★症状
• 急に片後肢を挙げる
• 地面に足をつけない
• 軽快と悪化を繰り返す
★原因
• 体重過多
• 加齢による靭帯の変性
• 遺伝的要因
★治療
• 外科手術
• 術後リハビリ
• 体重管理
大型犬では手術が第一選択になることがあります。
3. 悪性腫瘍(特にリンパ腫・血管肉腫)
ゴールデンレトリバーは特に腫瘍発生率が高い犬種として知られています。
★症状
• 元気・食欲の低下
• 体重減少
• しこり
• 突然の虚脱(血管肉腫の場合)
• リンパ節の腫れ
• 心タンポナーゼ(心臓の周りに血液が溜まって急に動けなくなる疾患で血管肉腫などの心臓腫瘍が関連することがある)
★原因
• 遺伝的背景
• 加齢
• 環境因子
★治療
• 抗がん剤治療
• 外科切除
• 緩和ケア
特に血管肉腫は症状が出たときには進行していることが多いため、定期検診が重要です。
4. 外耳炎
アトピー性皮膚炎の合併症として垂れ耳の犬種であるため非常に多い疾患です。
★症状
• 耳をかく
• 頭を振る
• 耳が赤い
• 臭いが強い
• 耳垢が増える
★原因
• 耳の通気性が悪い
• アレルギー体質
• 細菌・酵母菌感染
★治療
• 耳洗浄
• 点耳薬
• アレルギー管理
慢性化しやすい疾患なので早期治療が大切です。
5. アトピー性皮膚炎
レトリバー種はアレルギー体質の個体も多いです。
★症状
• 足先をなめ続ける
• 耳の炎症を繰り返す
• お腹や脇の赤み
• 慢性的なかゆみ
★原因
• 遺伝的体質
• 環境アレルゲン
★治療
• 抗アレルギー薬
• 免疫調整薬
• 食事療法
• スキンケア
若齢から発症することが多い慢性疾患です。
6. 胃拡張・胃捻転症候群や誤食などの胃腸疾患
大型犬で命に関わる緊急疾患です。誤食にも注意です。
★症状
• 急な腹部膨満
• よだれ
• 落ち着きがない
• 吐こうとして吐けない
• 急速にショック状態
★原因
• 早食い
• 食後すぐの激しい運動
• 胸が深い体型
★治療
• 緊急外科手術
• ショック管理
時間との勝負になる病気です。
7. 進行性網膜萎縮(PRA)
遺伝性の眼疾患です。
★症状
• 夜間の視力低下
• 暗い場所でぶつかる
• 徐々に視力喪失
★原因
• 遺伝子異常
★治療
根本治療はありませんが、環境調整により生活の質を保てます。
飼い主さんができる予防と早期発見
• 適正体重の維持
• 定期的な健康診断
• 若齢期からの関節ケア
• しこりや皮膚の異常を見逃さない
• 急な元気消失はすぐ受診
特にレトリバーは「我慢強い性格」の子も多く、症状が出たときには進行していることもあります。
まとめ
ゴールデンレトリバーやラブラドールレトリバーは、
愛情深く素晴らしいパートナーである一方で、大型犬特有のリスクと遺伝的素因を持っています。
しかし、
• 体重管理
• 定期検診
• 早期受診
これらを徹底することで、多くの疾患はコントロール可能です。
大切な家族とできるだけ長く健康に暮らすために、
ぜひ日々の観察を習慣にしてください。
