症例紹介

ヨークシャテリア(ヨーキー)が罹患しやすい病気の原因と治療について|獣医師が解説 NEW

予防ワクチン・健康診断 症例紹介

ヨークシャテリア(ヨーキー)が罹患しやすい病気の原因と治療について|獣医師が解説

福岡市早良区、福岡市西区、福岡市城南区、福岡市中央区、糸島市のみなさん、こんにちは。
福岡市早良区の次郎丸動物病院の獣医師の矢野です。
ヨークシャテリア(ヨーキー)は、その可愛らしさと活発な性格で人気の高い犬種ですが、遺伝的素因や小型犬特有の体の構造から、特定の病気にかかりやすい傾向があります。本記事では、臨床現場で頻繁に遭遇する「ヨーキーに多い病気」について、原因と治療を獣医師の視点から詳しく解説します。

1. 気管虚脱(きかんきょだつ)

●原因
ヨーキーで非常に多い代表的疾患です。
気管の軟骨が弱く、呼吸時に気管が潰れてしまうことで発生します。
•    先天的な軟骨の脆弱性
•    加齢による変性
•    肥満や興奮による呼吸負荷
●症状
•    ガーガーというガチョウ様の咳
•    興奮時・運動時の悪化
•    重症例では呼吸困難
●治療
•    鎮咳薬、気管拡張薬
•    体重管理
•    首輪ではなくハーネスの使用
•    重度では気管ステント挿入

2. 僧帽弁閉鎖不全症(MMVD)

●原因
小型犬に非常に多い心臓病で、ヨーキーでも高頻度に認められます。
僧帽弁が変性し、血液が逆流することで心臓に負担がかかります。
•    加齢性変化(最も多い)
•    遺伝的素因
•    小型犬特有の弁構造の弱さ
●症状
•    咳(特に夜間や安静時)
•    運動不耐性
•    呼吸数の増加
•    進行すると肺水腫
●治療
進行度に応じて内科治療を行います。
•    ピモベンダン(強心薬)
•    ACE阻害薬
•    利尿薬(肺水腫時)
早期発見・継続的モニタリングが予後を大きく左右します。

3. 膝蓋骨脱臼(パテラ)

●原因
膝のお皿が外れる疾患で、小型犬では非常に一般的です。
•    先天的な骨格異常
•    成長過程でのアライメント異常
•    滑りやすい床環境
●症状
•    スキップ様歩行
•    突然後肢を上げる
•    慢性化すると跛行
●治療
•    軽度:体重管理、運動管理、サプリメント
•    中等度以上:外科手術(溝形成・整復術など)

4. 歯周病

●原因
ヨーキーは歯が密集しており、歯石が非常に付きやすい犬種です。
•    歯磨き不足
•    乳歯遺残
•    歯列の狭さ
●症状
•    口臭
•    歯肉炎、出血
•    重度では歯の脱落
●治療
•    スケーリング(全身麻酔下)
•    抜歯
•    日常的なデンタルケアの徹底

5. 皮膚疾患(アレルギー・脂漏症など)

●原因
ヨーキーは被毛が細く皮膚も繊細で、皮膚トラブルが起こりやすい犬種です。
•    食物アレルギー
•    環境アレルゲン
•    皮脂バランスの異常
●症状
•    かゆみ
•    フケや脂っぽさ
•    脱毛
●治療
•    薬用シャンプー
•    抗アレルギー薬
•    食事療法

まとめ:ヨーキーは「呼吸・心臓・関節・歯・皮膚」の管理が重要

ヨークシャテリアでは特に、
•    気管の弱さ(気管虚脱)
•    心臓の加齢性変化(僧帽弁閉鎖不全)
•    骨格の不安定性(パテラ)
•    口腔環境の悪化(歯周病)
•    アレルギーや体質関与の皮膚疾患
といった問題が複合的に起こりやすいのが特徴です。
そのため、
•    若齢期からの生活環境整備
•    中年期からの心臓モニタリング
•    日常的なデンタルケアと適切な食事管理
が長寿の鍵になります。


次郎丸動物病院へのご予約・お問い合わせ

【電話受付】 9:30〜12:30/16:00〜18:30(診察終了30分前まで) 【休診】火曜・祝日・金曜午後

この子はアレルギーと体質の影響で来院時腹部にフケの塊と重度の脂漏症、アレルギーと細菌の関与した皮膚炎があり、フケの粉が診察台に大量に落ちる様な状態でした。2週間の投薬と食事管理によってかゆみと皮膚コンディションを改善させ、フケとかゆみのコントロールができましたが、脂漏症をコントロールする目的で薬用シャンプーなどを用いたシャンプー治療を行うことで、皮膚コンディションの平常化を行っています。


来院時の腹部の皮膚の様子。かゆみとふけが認められます。


治療的薬浴後:サマーカットに近い短髪にして皮膚の通気を良くすることと薬浴で皮膚コンディションの平常化を目指しています。