犬の涙やけの症状と原因、治療について｜獣医師が解説

福岡市早良区、福岡市西区、福岡市城南区、福岡市中央区、糸島市のみなさん、こんにちは。
福岡市早良区の次郎丸動物病院の獣医師の矢野です。
わんちゃんが調子を崩すと、飼い主さんとしてとても心配になりますよね。
今回は、犬の飼い主の皆さんにとって気になるトピック、涙やけの症状と原因、当院での治療についてについて解説したいと思います。

【犬の涙やけとは？】

犬の涙やけとは、目の周りが茶色っぽく変色する現象です。これは、犬の目から分泌される涙が、毛の色素と反応して茶色くなるために起こります。

【犬の涙やけの症状と原因】

1.    目の周りの茶色い変色: 犬の目の周りが茶色っぽく変色し、毛が湿っていることがあります。
2.    涙腺や眼球の問題: 涙腺や眼球に異常がある場合、正常な涙の排出が妨げられ、涙がたまりやすくなります。
3.    アレルギー反応: 犬がアレルギー反応を起こすと、涙の分泌が増え、茶色い分泌物が目の周りにたまることがあります。
4.    涙管閉塞: 目の内側から鼻に向けて涙を鼻腔内に逃すための管を涙管と言います。この涙管がアレルギーや結膜炎などにより閉塞すると、涙が目やにとして目の内側から溢れてしまいます。このことが涙やけの原因となることがあります。
5.    遺伝的要因: プードルやシーズー、マルチーズなどの特定の犬種は涙やけが発生しやすい傾向があります。

【犬の涙やけの治療方法】

涙やけの治療には、以下の方法があります。
1.    原因の特定: 何らかしらの理由で目に炎症が起こることで涙やけはひどくなりますので、その炎症の原因が何か特定できれば行います。
2.    目薬や洗浄液の使用: 結膜炎の治療や異物の除去を目的に目薬や洗浄液を使用して治療します。また、顔まわりの毛をカットしたり、結んだりして余計な刺激を目に与えないようにします。
3.    食生活の改善: 犬のおやつなど総合栄養食のドックフード以外のものを与えている場合、それがアレルギーの原因になったり、不飽和脂肪酸の割合悪化での炎症につながったりしていることがあるので、食生活の改善に努めます。ドックフードのみでシンプルに飼育することで、涙やけの改善を認めることが多いです。
4.    涙管洗浄: 涙管閉塞などの場合、定期的な涙管洗浄や眼瞼の整復手術などによって涙の排泄を正常化することを目指すことがあります。

【まとめ】

犬の涙やけは、飼い主にとって気になる問題ですが、適切な治療法を選択すれば改善されることがあります。症状が続く場合は早めに獣医師に相談することが大切です。愛犬の健康を守るためにも、定期的な健康チェックをおすすめします。
当院では、飼主様の希望に応じて適切に診断し治療することを大切にしていますので、お気軽にお問い合わせください。

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トイプードルの涙やけが悪化して目の内側の皮膚がただれてしまった事例です。涙やけは悪化すると難治性の皮膚疾患を継発してくることがあります。

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食生活を改善し、その子に合った総合栄養食を見つけられると、涙やけが改善する事例をたくさん経験しています。それでも難しい場合は、点眼薬で慢性的な結膜炎の管理や、顔まわりの毛をカットして目の刺激をなくすことと合わせて、写真のような涙管洗浄を定期的に行い涙管を再開通させることで、涙やけの悪化を防ぐことができることがあります。涙管洗浄はおとなしい子であれば、無麻酔で対応できることがありますが、麻酔下で行うこともあります。