犬の橈尺骨骨折の症状と原因、治療について｜獣医師が解説

福岡市早良区、福岡市西区、福岡市城南区、福岡市中央区、糸島市のみなさん、こんにちは。
福岡市早良区の次郎丸動物病院の獣医師の矢野です。
犬を飼っている飼い主の皆さんにとって、ペットの健康は何よりも大切なことでしょう。しかし、時には犬が事故や負傷に遭遇し、骨折を起こすことがあります。特に前肢の橈骨または尺骨（前腕の骨）が折れることは一般的な問題です。橈骨と尺骨は、前足の手首と肘の間の２本の長細い骨で、小型の犬種（特にトイプードルやヨークシャテリア、パピヨンなどの前足の細い犬種）の子犬では、ちょっとしたことで骨折を引き起こします。今回は、わんちゃんの橈尺骨骨折の症状と原因、当院での治療についてお話しさせていただきます。

【犬の橈尺骨骨折の症状】

犬の橈尺骨骨折は、以下のような症状で判断することができます：
1.    高度な疼痛: 犬は折れた部位に強い痛みを感じるため、普段よりも前足を動かさなくなることがあります。橈尺骨に骨折がある場合、ほとんどの犬は折れた前足をつくことができなくなります。
2.    腫れ: 折れた部位周辺が腫れることがあります。ただし、腫れが見えない場合もありますので注意が必要です。
3.    異常な姿勢: 前足折れた部位が曲がっていたり、通常の位置から外れていることがあります。
4.    歩行困難: 犬が折れた前足を使おうとしないか、もしくは使っても歩行が不安定な場合があります。
5.    傷跡や出血: 外傷による骨折の場合は、皮膚に傷跡や出血が見られることがあります。
これらの症状が見られた場合は、速やかに獣医師に相談しましょう。早期の診断と治療が、犬の回復にとって重要です。

【犬の橈尺骨骨折の原因】

犬の橈尺骨骨折の主な原因は次の通りです：
1.    交通事故: 車との衝突や交通事故に巻き込まれた際に、前肢が強い衝撃を受けて骨が折れることがあります。
2.    跳躍や落下: 高い場所からの飛び降りや転倒が原因で骨折することがあります。特に活発な犬は注意が必要です。
3.    スポーツや遊び: 犬が激しい運動や遊びをしている最中に、誤って骨折を引き起こすことがあります。
4.    犬種：前足の細い犬種、特にトイプードル、ヨークシャテリア、パピヨン、イタリアングレーハウンドなどの子犬でよく見られます。
これらの原因を事前に予防することは難しいかもしれませんが、犬の安全を考慮し、危険な場所や行動から遠ざけることが重要です。

【犬の橈尺骨骨折の治療】

犬の橈尺骨骨折の治療法は、骨折の種類、位置、重症度によって異なります。獣医師が適切な治療方法を選択しますが、一般的な治療法には以下のようなものがあります：
1.    外科手術: 骨折が複雑でずれている場合、外科手術が必要なことがあります。手術により骨を正しい位置に戻し、内部固定（金属プレートやピンで骨を固定）を行います。
2.    キャストや包帯: 軽度の骨折や手術が適さない場合、ギプスキャストや包帯を使って安定させる方法が選択されることがあります。
3.    保存療法: 骨折が軽度で安定している場合は、保存療法により自然治癒を促進することがあります。
治療後はリハビリテーションが重要です。犬の筋力を回復させるための運動や、安静にすることで骨の治癒を助けることが必要です。
以上の情報を踏まえて、もし犬が橈尺骨骨折の症状を示した場合には、素早く専門の獣医師に相談し、適切な治療を受けるようにしてください。犬の早期の回復と健康を願っています。当院では、橈尺骨の骨折の外科治療、内科治療に対応しています。希望があれば専門病院へ紹介することも可能です。飼い主さんの希望に応じて適切に診断し治療することを大切にしていますので、お気軽にお問い合わせください。

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