犬の膀胱結石の症状と原因、治療について｜獣医師が解説

福岡市早良区、福岡市西区、福岡市城南区、福岡市中央区、糸島市のみなさん、こんにちは。
福岡市早良区の次郎丸動物病院の獣医師の矢野です。
今回は犬の健康に関する重要なトピック、膀胱結石について、その症状と原因、当院での治療についてお話しさせていただきます。
膀胱結石は犬にとって深刻な問題となることがありますが、早期の対処と適切な治療によって乗り越えることができる場合もあります。わんちゃんの飼い主として、この情報を知っておくことは非常に重要です。

【犬の膀胱結石とは？】

膀胱結石とは、犬の膀胱内で形成される固形の結晶塊です。これらの結石は尿中のミネラルや化学物質が結合して形成され、膀胱内にたまってしまいます。これにより尿の通り道が詰まり、炎症や感染症を引き起こす可能性があります。また、そもそも膀胱炎が生じることによりオシッコの酸性度アルカリ性度が変化することで膀胱結石を生じることがあります。重症化すると腎臓や尿管（腎臓から膀胱におしっこを流す管）に結石や砂ができることがあります。

【犬の膀胱結石の症状】

膀胱結石が犬に影響を及ぼす兆候はさまざまですが、一般的な症状には以下のものがあります：
•    頻尿または尿意を示す
•    尿の量が少ない
•    血尿
•    腹部の痛みや不快感
•    尿失禁や尿漏れ
•    陰部や下腹部を舐める行動が増加する
•    食欲不振や体重減少

【犬の膀胱結石の原因】

膀胱結石の形成にはさまざまな要因が関与します。主な原因としては、以下のような要因が挙げられます：
•    ミネラルの過剰摂取
•    尿路感染症
•    尿の滞留
•    食事内容の問題（不適切な食べ物を与えることはリスクをあげてしまいます）
•    遺伝的要因（シーズーやペキニーズ、パグ、フレンチブルドッグなどの短頭種などは膀胱結石ができることがあります。）

【犬の膀胱結石の治療】

犬の膀胱結石の治療法は、結石の種類や大きさ、犬の状態によって異なります。獣医師の診断と指導に従うことが大切ですが、一般的な治療方法には以下が含まれます：
•    薬物療法：抗生物質や炎症を抑える薬の使用、皮下点滴などで尿量を維持する。
•    尿路結石の除去：特定の症例では手術が必要になることもあります
•    食事管理：特別な食事療法により結石の再発を防ぐ。水分摂取量を増やす。

【犬の膀胱結石の予防策】

膀胱結石を予防するためには、適切な食事管理と定期的な健康チェックが必要です。ドックフードをふやかして与えたり、水を加えて与えたりするなどの工夫で十分な水分摂取に心がけることは結石予防に役立ちます。また、犬の異常な行動や排尿パターンに敏感に注意を払い、早期に獣医師の診断を受けることも大切です。
皆さんの愛するペットの健康を守るために、膀胱結石に関する情報を正しく理解し、適切なケアを提供しましょう。獣医師のアドバイスに従い、愛犬が健康で快適な生活を送る手助けをしましょう。
膀胱結石の予防のためには、わんちゃんに合わない食べ物を与えないようにする（総合栄養食のドックフードだけで飼育する）ことが必要です。わんちゃんの健康に気を配り、健やかに過ごすためにも、早めの対応が大切です。当院では、飼主様の希望に応じて適切に診断し治療することを大切にしていますので、お気軽にお問い合わせください。

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