犬のくしゃみの症状と原因、治療について|獣医師が解説
循環器科 呼吸器科 症例紹介犬のくしゃみの症状と原因、治療について|獣医師が解説
福岡市早良区、福岡市西区、福岡市城南区、福岡市中央区、糸島市のみなさん、こんにちは。
福岡市早良区の次郎丸動物病院の獣医師の矢野です。
わんちゃんが調子を崩しても、言葉で言ってくれないので、飼い主さんとしてとても心配になりますよね。中でも犬がくしゃみをすることは、飼い主さんにとって気になる兆候ですよね。今回は、わんちゃんのくしゃみの症状と原因、当院での治療についてお話しさせていただきます。
【犬のくしゃみの症状】
犬がくしゃみをする際には、以下のような症状が見られることがあります。
1. 頻繁なくしゃみ
2. 鼻水や鼻づまり
3. 鼻や目の周りの異常なかゆみや掻きむしり
4. 咳やくしゃみの後のゼーゼーとした呼吸音
【犬のくしゃみの原因】
犬がくしゃみをする原因はさまざまですが、鼻の中になんらかしらの異常が生じていることが確実です。以下に一部をご紹介します。
1. 風邪や感染症: 犬風邪や上気道感染症(ケンネルコフやジステンパー)などがくしゃみを引き起こす原因として考えられます。
2. アレルギー: ダニ、花粉、ホコリなどによるアレルギー反応がくしゃみを誘発することがあります。
3. 異物や刺激物: 犬が鼻に異物を入れたり、刺激物に触れたりした場合にもくしゃみが生じることがあります。鼻の中にできたおでき(腫瘍)が関連していることもあります。
4. 歯周病の影響:上の歯に歯石や歯肉炎がひどい歯周病があると、鼻の中に影響してくしゃみが生じる原因となることがあります。
【犬のくしゃみの治療】
犬のくしゃみに対する治療は、その原因によって異なります。
1. 風邪や感染症の場合: 獣医師の診断を受け、適切な抗生物質や対症療法を処方します。また、ジステンパーやケンネルコフの予防のために混合ワクチンの定期接種を行います。
2. アレルギーの場合: アレルギーの原因物質を特定し、可能な限り避けることが重要です。また、獣医師から処方された抗ヒスタミン剤やステロイドの使用を考慮することがあります。
3. 異物や刺激物による場合: 適切な処置(内視鏡や異物鉗子を用いた摘出や手術など)によって原因を取り除く必要があります。
4. 歯周病の治療:超音波スケーラーを用いた歯石除去術や抜歯を行い原因を取り除きます。
犬のくしゃみは、病気やアレルギー反応の兆候であることもあります。早めの診断と適切な治療が重要です。症状が気になる場合は、獣医師の診察を受けることをおすすめします。重症の場合、腫瘍(がん)や鼻の中の骨の変形などが生じている場合があり、早期に積極的な治療が必要になることもあります。
くしゃみを重症化させずに、ワンちゃんと健やかに末長く過ごすためにも、早めの対応が大切です。当院では、飼主様の希望に応じて適切に診断し治療することを大切にしていますので、お気軽にお問い合わせください。