症例紹介

犬のアトピー性皮膚炎の症状と原因、治療について|獣医師が解説

皮膚科 症例紹介

犬のアトピー性皮膚炎の症状と原因、治療について|獣医師が解説

福岡市早良区、福岡市西区、福岡市城南区、福岡市中央区、糸島市のみなさん、こんにちは。
福岡市早良区の次郎丸動物病院の獣医師の矢野です。
今回は、わんちゃんのアトピー性皮膚炎の症状と原因、当院での治療についてお話しさせていただきます。
皮膚炎は、わんちゃんにとって非常に一般的な疾患ですが、その中でもアトピー性皮膚炎は特によく見られます。アトピー性皮膚炎は、犬の免疫系が特定のアレルゲンに過剰反応を起こすことによって引き起こされる慢性的な炎症性疾患です。

犬のアトピー性皮膚炎の症状について

犬のアトピー性皮膚炎の主な症状は、かゆみと皮膚の炎症です。犬はかゆみを和らげるために激しくかむ、かきむしる、または摩擦することがあります。皮膚は赤くなり、腫れ、ただれたり、湿っていることがあります。また、慢性的なアトピー性皮膚炎の場合、皮膚は乾燥して粉を吹いたり、ただれたり剥がれたりすることがあります。外耳道炎を合併している事例も一般的です。

犬のアトピー性皮膚炎の原因について

アトピー性皮膚炎の原因は複雑であり、環境要因、遺伝要因、免疫系の異常などが関与しています。一般的なアレルゲンとしては、花粉、ハウスダスト、ダニ、カビ、食品、昆虫刺されなどがあります。特定の季節や環境条件で症状が悪化することもあります。このため、わんちゃんの飼育方法の見直しから総合的に治療を行う必要があります。

犬のアトピー性皮膚炎の治療について

アトピー性皮膚炎の治療には、症状の緩和と炎症の管理が含まれます。まず、犬の環境を管理し、可能な限りアレルゲンを排除することが重要です。定期的な掃除でアレルゲンの除去を行い、温度湿度の管理が大切になることがあります。また、特定の食品アレルギーが疑われる場合は、食事の見直しも検討されます。
症状の緩和のために、抗ヒスタミン薬やステロイド薬が処方されることがあります。これらの薬はかゆみを軽減し、炎症を抑える効果がありますが、長期間の使用は避けるべきです。代替的な治療法として、脂漏症の改善に役立つオメガ-3脂肪酸のサプリメントや、皮膚バリアを強化するシャンプーやクリームも利用されます。
さらに、アトピー性皮膚炎の治療には免疫療法が考慮されることもあります。免疫療法では、アレルゲンに対する免疫反応を調整するために、アレルゲンの注射やサブリンガル(舌下)療法が行われます。これにより、症状の改善と再発の予防ができることもあります。
アトピー性皮膚炎は慢性的な疾患であり、完全に治癒することは難しい場合もありますが、症状の管理や予防策を通じて、犬の快適な生活をサポートすることが可能です。アトピー性皮膚炎の症状を見つけた場合は、獣医師の診察を受け、最適な治療方法を一人一人のワンちゃんで探ってゆくことが必要になります。
当院では、食事や飼育方法の適正化と、医療トリミングによる皮膚コンディションの調整により、最低限の治療薬で日常の生活を取り戻しているわんちゃんを多数経験しています。特に外耳道炎の治療を併用することで、わんちゃんの苦痛を大きく軽減することに成功しています。福岡市でわんちゃんの皮膚病でお困りの方がいらっしゃいましたら、お気軽にご相談ください。


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