症例紹介

犬の熱中症の症状と原因、治療について|獣医師が解説

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犬の熱中症の症状と原因、治療について|獣医師が解説

福岡市早良区、福岡市西区、福岡市城南区、福岡市中央区、糸島市のみなさん、こんにちは。
福岡市早良区の次郎丸動物病院の獣医師の矢野です。

今回は、わんちゃんの熱中症の症状と原因、当院での治療についてお話しさせていただきます。
犬は暑さに敏感であり、熱中症は深刻な状態につながる可能性があるため、注意が必要です。では、まずは熱中症の症状について見ていきましょう。

犬の熱中症の主な症状は以下の通りです:

①    体温の上昇:犬の正常な体温は38℃〜39℃ですが、熱中症では40℃以上に上昇することがあります。熱い体表や耳、足の裏を触れると、明らかに熱を感じることがあります。
②    体の不調:熱中症では、犬が無気力になり、元気がなくなることがあります。食欲不振や嘔吐、下痢などの消化器症状が見られることもあります。
③    重度の口渇:犬が異常なくらいの喉の渇きを示し、舌を突き出したり、大量の水を求めたりすることがあります。舌や歯茎が乾燥していることも確認できます。
④    呼吸困難:熱中症では、犬の呼吸が速くなり、浅くなることがあります。呼吸が荒くなり、苦しそうな様子が見られる場合は、緊急を要する状況かもしれません。

次に、熱中症の主な原因について説明します。熱中症は、高温多湿の夏の季節はもちろん、以下の要因によって引き起こされることがあります:

①    高温環境:犬が長時間、直射日光の下で過ごしたり、車内に閉じ込められたりするなど、高温環境にさらされることがあります。特に夏の暑い日や湿度の高い日には注意が必要です。
②    運動の過剰:激しい運動や遊びを長時間続けることで、犬の体温が急激に上昇し、熱中症を引き起こすことがあります。特に運動量の慣れていない犬や高齢犬は注意が必要です。
③    車内や閉所での待機:車内や小さな閉所で犬を待機させると、蒸れや空気の循環不良が起こり、熱中症のリスクが高まります。車内の温度は急速に上昇し、危険な状態になることもあります。

最後に、熱中症の治療方法についてお話しましょう。熱中症は緊急を要する状態であり、以下の対処法が重要です:

①    体温の下降:まず、犬の体温を下げることが最優先です。冷たいタオルや氷のパックを使って、体温を下げることができます。また、水をかけたり、水浴をさせたりすることも有効ですが、急激な体温の下降には注意が必要です。
②    水分補給:犬に十分な水分を与えることも重要です。しかし、一度に大量の水を与えると吐き戻す可能性があるため、少しずつ水を与えることが推奨されます。
③    獣医の診察:熱中症の症状が現れた場合は、速やかに獣医師の診察を受ける必要があります。獣医師は適切な治療法を提案し、犬の状態を監視します。

以上が、犬の熱中症についての症状と原因、治療方法に関する解説でした。熱中症は命に関わる重篤な状態に発展する可能性があるため、暑い季節には犬の体温調節に十分な注意を払いましょう。犬の安全と健康のために、暑い季節には早朝などの時間帯での屋外の活動にとどめ、涼しい場所で適切な水分補給と適度な運動を提供しましょう。
熱中症で意識障害や横倒しの状態、激しい呼吸症状を伴う際は緊急の状態ですので、速やかに動物病院に連絡し来院されるようにしてください。夜間緊急時でも福岡は、福岡夜間救急動物病院(℡092-504-8999)が対応してくれますので、連絡を取って来院されるようにしてください。当院では、飼主様の希望に応じて適切に診断し治療することを大切にしていますので、何かご不明な点がありましたら、お気軽にお問い合わせください。


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