症例紹介

「動物の皮膚病をどうやって治療するの?」各論編5|真菌が関連する皮膚病:白癬菌、マラセチア|獣医師が解説

皮膚科 症例紹介

「動物の皮膚病をどうやって治療するの?」各論編5|真菌が関連する皮膚病:白癬菌、マラセチア|獣医師が解説

福岡市早良区、福岡市西区、福岡市城南区、福岡市中央区、糸島市のみなさん、こんにちは。
福岡市早良区の次郎丸動物病院の獣医師の矢野です。
「獣医師は動物の皮膚病をどうやって治療するの?」今回は、当院で治療を得意としている皮膚病について、動物を飼育する皆さんが素朴に抱くこの疑問について解説しようと思います。「概要編」「検査編」「診断編」「各論」という形でシリーズとして述べさせていただきます。今回は「各論編5」です。

【20.真菌が関連する皮膚病:白癬菌、マラセチア】

ペットの皮膚病の原因として、真菌(カビ)が挙げられます。今回は、代表的な真菌感染である白癬菌とマラセチアに焦点を当て、どのようにこれらの真菌が皮膚病を引き起こすのかを解説します。

1. 白癬菌(Ringworm)

症状:

白癬菌は皮膚の一部に円形の脱毛斑を引き起こすことが特徴です。皮膚が赤くなり、うろこ状のかさぶたができることがあります。人間にも感染するため、注意が必要です。

原因:

白癬菌は皮膚の角質層に寄生し、角質や毛を破壊します。特に動物が湿気の多い環境にいる場合、感染しやすくなります。


2. マラセチア(Malassezia)

症状:

マラセチア感染は、皮膚が脂っぽくなり、強いかゆみや臭いを伴います。皮膚が赤くなり、特に耳や足の間、わきの下などで炎症が見られます。

原因:

マラセチアは常在菌で、通常は皮膚に問題を起こしませんが、免疫力の低下や湿気の多い環境で増殖し、皮膚炎を引き起こすことがあります。


これらの真菌感染は、早期に発見し治療を行うことが大切です。治療には、抗真菌薬やシャンプーなどが用いられます。ペットの皮膚に異常が見られたら、早めに獣医師に相談しましょう。


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