症例紹介

猫の真菌性皮膚炎の症状と原因、治療について|獣医師が解説

皮膚科 症例紹介

猫の真菌性皮膚炎の症状と原因、治療について|獣医師が解説

福岡市早良区、福岡市西区、福岡市城南区、福岡市中央区、糸島市のみなさん、こんにちは。
福岡市早良区の次郎丸動物病院の獣医師の矢野です。
猫ちゃんが調子を崩すと、飼い主さんとしてとても心配になりますよね。今回は、猫の真菌性皮膚炎の症状と原因、当院での治療についてお話しさせていただきます。真菌性皮膚炎は人畜共通の感染症であり、人間にも感染します。よって早期発見と適切な治療や対応が必要となる、一般的によくみられる猫の皮膚疾患です。
猫ちゃんが健康で快適な日々を過ごすために、真菌性皮膚炎の症状や原因、そして効果的な治療方法についてお伝えします。

【猫の真菌性皮膚炎とは】

真菌性皮膚炎は、猫が罹りやすい真菌感染症の一種です。Microsporum属やTrichophyton属といった真菌が猫の皮膚に感染し、炎症やかゆみ、脱毛などの症状を引き起こします。ここでは、その症状と原因、そして治療について詳しく見ていきましょう。

【猫の真菌性皮膚炎の症状の特徴】

真菌性皮膚炎の症状は、猫によって異なることがありますが、一般的な症状としては以下のようなものが挙げられます。
•    発疹と紅斑: 皮膚の感染部位に赤い発疹や紅斑が現れることがあります。これは皮膚の炎症反応によるものです。
•    かゆみと掻痒感: 猫はかゆみを感じ、頻繁に体を舐めたりかむたりすることがあります。これは炎症や真菌の活動によるものです。
•    抜け毛と毛の脱落: 感染部位の毛が抜け落ちることがあり、毛の密度が低下することがあります。
•    毛の変色: 感染した部位の毛の色が変わることがあり、暗く見えることがあります。
•    丸い脱毛病変: 円形の脱毛病変(リングウォーム)が現れることがあります。中央部が健康な皮膚で囲まれている特徴的な形状です。

【猫の真菌性皮膚炎の感染の原因と予防策】

真菌性皮膚炎の主な原因はMicrosporum属やTrichophyton属の真菌です。これらの真菌は他の感染猫、感染した環境、または感染物に接触することで広がります。感染を防ぐためには、定期的な猫のケアと清潔な環境づくりが大切です。感染が疑われる場合は、早めに獣医師の診断を受けることが重要です。

【猫の真菌性皮膚炎の効果的な治療法】

真菌性皮膚炎の治療は、獣医師の指導のもとで行うことが重要です。一般的な治療法としては以下のような方法があります。
•    薬物療法: 抗真菌薬の外用剤や経口薬が使用されます。感染の広がりや重症度に応じて適切な薬剤が選ばれます。
•    皮膚ケア: 脱毛した部位の皮膚を清潔に保つことが大切です。特定のシャンプーや洗浄剤の使用が勧められることもあります。
•    隔離: 感染が他の動物や人間に広がるのを防ぐため、感染している猫を他のペットや家族から隔離することがあります。
治療期間は症状の重症度や猫の免疫状態によって異なりますが、獣医師の指導のもとで完全な治癒を目指しましょう。

【まとめ】

猫の真菌性皮膚炎は、早期発見と適切な治療が重要な疾患です。猫の皆さんの健康を守るために、定期的なケアと獣医師の診断を受けることをおすすめします。皮膚のかゆみや脱毛に不安を感じたら、遠慮せずに獣医師に相談してみましょう。
真菌性皮膚炎に使用する内服薬は、下痢や吐き戻しを引き起こしやすいので、全身状態の把握を行ってから適切な方法で使用することが必要です。当院では、飼主様の希望や動物の飼育状況に応じて適切に診断し治療することを大切にしていますので、お気軽にお問い合わせください。


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この子はウッド灯検査によって口唇部と鼻陵部に、皮膚真菌症に特徴的な発光を認めました。内服薬と外用薬を併用し治療を行いました。