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犬の誤食と中毒の症状と原因、治療について|獣医師が解説

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犬の誤食と中毒の症状と原因、治療について|獣医師が解説

福岡市早良区、福岡市西区、福岡市城南区、福岡市中央区、糸島市のみなさん、こんにちは。
福岡市早良区の次郎丸動物病院の獣医師の矢野です。
今回は、わんちゃんの誤食と中毒の症状と原因について、当院での治療についてお話しさせていただきます。犬はもともと、口で物をくわえたり、それを誤って飲み込んでしまったりする、好奇心旺盛な生き物であり、時には身体に害を及ぼす物質を誤って摂取してしまうことがあります。それによって中毒症状が現れることもあります。本記事では、犬の誤食と中毒の症状、原因、そして治療方法について詳しくご説明します。

【誤食と中毒の症状】 犬が有害な物質を摂取した場合、次のような症状が現れることがあります。

①    嘔吐や下痢: 犬は消化器系に刺激を受けることで嘔吐や下痢を起こすことがあります。
②    食欲不振: 犬は摂取した物質によって食欲が低下することがあります。
③    過度の唾液分泌: 特定の物質に対する刺激により、犬は過度に唾液を分泌することがあります。
④    無気力や不安: 犬は体調不良や痛みを感じることで無気力になったり、不安定な行動を見せることがあります。
⑤    呼吸困難: 毒物の摂取によって呼吸困難が生じることがあります。
⑥    不整脈やけいれん: 一部の物質は犬の心臓や神経系に影響を与え、不整脈やけいれんを引き起こすことがあります。

【誤食と中毒の原因】 犬が誤って有害な物質を摂取する原因はさまざまですが、以下はよく見られるものです。

①    家庭内の毒物: 清掃用品、薬品、植物(特にユリ科やアサガオなど)、虫除け剤など、家庭内にあるさまざまな物質が犬にとって有害であり、誤食や中毒の原因となります。
②    食べ物: 人間の食べ物の中には、犬にとって毒性のあるものがあります。例えば、チョコレート、コーヒー、アルコール、オニオンやニンニクなどが挙げられます。
③    外部の物質: 家の周りや散歩中に、農薬や化学物質が使われている場所に犬が触れることがあります。また、ゴミ箱や排水溝などから有害物質が入り込むこともあります。

【誤食と中毒の治療】 もし犬が誤って有害な物質を摂取したと疑われる場合は、以下の対処方法を取ることが重要ですが、まずはすぐに獣医師に連絡しましょう。

①    動物病院への連絡: 獣医師の指示に従い、毒物情報センターや救急病院に連絡し、適切な対処方法を求めましょう。
②    嘔吐の誘導: 獣医師の指示に従い、嘔吐を誘導する場合があります。ただし、誤った物質を嘔吐させるとさらなる問題を引き起こす場合もあるため、獣医師の指導を仰ぎましょう。
③    吸着剤の使用: 獣医師の指示に従い、吸着剤(例:活性炭)を使用して有害物質を吸着させることがあります。
④    対症療法: 症状に応じて、吐き気止めや鎮痛剤、輸液などの対症療法が行われることがあります。

【予防策】最後に、犬の誤食や中毒を防ぐために以下の予防策をお勧めします。

①    家庭内での危険物の隠蔽: 家庭内にある有害な物質を犬の届かない場所に保管しましょう。
②    安全な食事の提供: 犬には人間の食べ物の中毒性があることを認識し、食べ物を安全に保管し、犬に与える際に注意しましょう。
③    散歩時の監視: 散歩中に犬が有害物質を摂取しないよう、周囲の環境を注意深く監視しましょう。

以上、犬の誤食と中毒の症状と原因、治療についての解説でした。もし犬が有害な物質を摂取したと疑われる場合は、迅速に獣医師に連絡し、適切な対処を行うことが大切です。安全な環境づくりと注意深い管理によって、犬の健康と安全を守りましょう。わんちゃんの健康に気を配り、健やかに過ごすためにも、早めの対応が大切です。当院では、飼主様の希望に応じて適切に診断し迅速に対応することを大切にしていますので、お気軽にお問い合わせください。


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