猫のてんかんの症状と原因、治療について|獣医師が解説
症例紹介猫のてんかんの症状と原因、治療について|獣医師が解説
福岡市早良区、福岡市西区、福岡市城南区、福岡市中央区、糸島市のみなさん、こんにちは。
福岡市早良区の次郎丸動物病院の獣医師の矢野です。
猫ちゃんが調子を崩すと、飼い主さんとしてとても心配になりますよね。今回は、猫ちゃんのてんかんの症状と原因、当院での治療についてお話しさせていただきます。
猫のてんかんは、神経系の異常によって引き起こされる病気であり、飼い主にとって深刻な問題です。
【猫のてんかんの症状】
猫のてんかんの症状は様々であり、突然のけいれんや意識喪失が最も一般的です。他にも、舌を噛む、異常な振る舞いをする、または尿失禁などの症状が見られることもあります。猫がてんかん発作を経験した場合は、飼い主が冷静に対処し、可能な限り獣医師のもとへ連れていくことが重要です。
【猫のてんかんの原因】
猫のてんかんの原因は複雑であり、脳の構造的な異常や化学物質の変化、または代謝異常が関与することがあります。外傷や脳腫瘍、感染症、または脳の発達異常などもてんかんを引き起こす原因として考えられます。また、遺伝的な要因も猫のてんかんの発症に関与する可能性があります。基本的には脳の神経細胞の異常興奮や抑制により引き起こされ、尿毒症などの代謝物質や薬物や低血糖などの脳以外の原因で引き起こされる痙攣とは区別されます。
【猫のてんかんの治療】
猫のてんかんの治療は、個々の症例に応じて異なります。血液検査やレントゲン検査などで異常の有無を確認します。脳のMRI検査を行わないと原因が特定できない事例もあります。一般的には、初発でケイレン頻度が低い場合、まずケイレンの頻度を確認するため痙攣の記録をとります。頻度が低いうちは無処置で経過観察することがあります。頻度が多くなれば、抗ケイレン薬を使用して、てんかん発作のコントロールが行われますが、これらの薬物には副作用があるため、獣医師の指示に従って正確な投与量や薬の種類を管理することが重要です。また、食事管理やストレスの軽減、運動量の調整など、ライフスタイルの変更も重要な治療法の一部です。
【まとめ】
猫のてんかんは、飼い主にとって心配な疾患ですが、適切な治療と管理が行われれば、多くの場合、改善が見られます。症状や治療法に関する情報を正しく理解し、獣医師との協力を通じて、愛するペットの健康を維持する努力が必要です。早期発見と適切な治療が、猫のてんかんを管理する鍵となります。
猫ちゃんが調子を崩したら、まずは獣医師に相談しましょう。特に食欲が廃絶していたり、症状が重い時は検査などで原因を特定し、適切な治療を行うことが大切です。当院では、飼主様の希望に応じて適切に診断し治療することを大切にしていますので、お気軽にお問い合わせください。
猫のけいれんは動画のようなものを含めて様々なタイプのものがあります。意識が混濁していて呼びかけに反応しないものなどは脳神経が関連したものが多いようです。血液検査や時にはMRIなどの画像診断によって、痙攣を起こす他の病気が除外診断されるとてんかんとして治療を行うことになります。